会社名義で不動産を購入するメリット・デメリット
今回は会社名義で不動産を購入するメリット・デメリットについて解説いたします。
不動産管理会社を持つことのメリット・デメリットの話も非常に近いものとなります。
会社名義で不動産を購入するメリットデメリット
法人名義で不動産を購入するメリット・デメリットについて解説いたします。(2024年時点の情報です)
【メリット】
1.相続税の節税につながる可能性がある
不動産管理会社を設立して、不動産を会社の所有にすると、相続が発生した時に相続税の節税効果があります。
相続の対象が不動産ではなく会社の株式となるからです。
一般的には、不動産そのものよりも会社の株式のほうが相続税評価が下がることが多いため、相続税の軽減へつながるということです。
2.不動産経営に関わる出費を経費として計上できる
個人として不動産経営をするよりも、不動産を管理する会社を設立したほうが、不動産経営に関わる経費のほか、付帯する経費も計上でき、利益を圧縮できる可能性があります。
経費の種類は例えばこのようなものです。
・不動産の固定資産税、修繕費など
・役員の退職金の積立
・役員の生命保険料
・家族への役員報酬 など
3.損失繰越期間が延びる
不動産経営で赤字が発生した時に、赤字の繰越期間がありますが(青色申告の場合)、個人事業主よりも法人の方が長くなります。
個人事業主は3年、会社(=法人)は10年です。
この間は、それまでに出た赤字と、その年に出た利益を相殺し、税金を圧縮することができます。
【デメリット】
1.会社を維持するための費用がかかる
不動産を管理する会社を維持、運営するための費用がかかります。例えば税理士費用、会計ソフト費用、社会保険料等です。
なお、赤字でも法人住民税という市県民税がかかります。(=年およそ7万円)
2.会社設立の費用がかかる
会社を設立するための費用がかかります。会社を解散するときにも所定の手続きが必要となり、費用が発生します。
3.不動産を売却する時の費用が高くなる
不動産を売ることがあれば、の話ですが、個人事業として売るより、会社で売ったほうが税金を中心として費用が高くなります。
例えば5年間保有する不動産(個人所有)を売却した時の譲渡所得税は約20%に対し、会社所有の不動産を売却する際には約30%となります。
以上のように、会社名義で不動産を持つことについてメリットとデメリットがあります。
当事務所へのご依頼でも不動産管理会社の設立は多いです。その中では税金面のメリット・デメリットを中心として十分に理解して事業運営に臨んでいただくために、税理士無料相談をおすすめしています。多くの方が利用されていますよ。